水素で活性酸素撃退

日本医科大学教授ら細胞・動物で実験

活性酸素を除く水1

活性酸素を除く水2

強い酸化力で細胞を傷つけ、老化やがんの原因になるとされる活性酸素を、水素で効率よく除去できることが最近の研究で分かってきた。さまざまな病気の予防や症状の悪化防止への応用が期待されている。

「水素は体に悪い活性酸素だけを選んで除去するのが特徴」と話すのは日本医科大学の太田成男教授(細胞生物学)。

活性酸素にはいろいろな種類があり、酸化力が強いものは体に悪さをするが、弱いものは細菌など外敵を退治する“善玉”の性質がある。太田教授は5年前、水素が善玉の活性酸素には作用しないことを培養細胞の実験などで確認。活性酸素を除去する成分といえば、ビタミンC、Eやポリフェノール類も知られている。だが、これらは善玉も悪玉も一緒に攻撃してしまう。

では、どんな方法で水素を体に取り入れたらいいのか。太田教授によると、水素を溶け込ませた水(水素水)の形で摂取するのが最も手軽で便利という。

「水素は分子が非常に小さいため、細胞の隅々まで入り込んで作用します。活性酸素を除去した後は“水”に変わり、他の物質を攻撃したり体内に蓄積したりすることもありません」

水素水の影響をマウスの実験で調べたところ、興味深い結果も出た。水素水(1リットル当たり水素1.6ミリグラム含有)を飲ませたマウス(36匹)と、飲ませないマウス(同)の双方に高脂肪のエサを与えて比較。水素水には寿命を延ばす働きがみられた。最近では水素を新しい治療法などに役立てる研究も広がっている。例えば高齢者に多い神経難病の一つ「パーキンソン病」の患者に対し、臨床試験が順天堂大学などで進められている。

「心筋梗塞や脳梗塞、認知症の治療に利用する動きも出ています」と太田教授。水素水は市販品も数多くあるが、「含有量が明示され、水素分子を通さないアルミ製の容器に詰められた商品を選ぶといいでしょう」と話す。(中山忠夫)

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